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赤毛の男の子はやれやれと溜め息混じりに声を発した
「8年ぶりの感動の再会ってのに、忘れちゃってるとかさ~」
8年ぶり…
「もしかして…」
あたしと慶次は顔を見合わす
『猿飛佐助っ!!』
「せ~かい♪ま、今は武田なんだけどね」
佐助…そう言われれば面影がある
この跳ねっ返りの赤毛とか…
「ちょ…聞いてる?」
やたら迷彩色の強い服とか
「お~い」
昔と変わんない…
「佐助…」
「ん~?」
佐助だ!!
あたしは走り出す
「すっ…鈴ね!」
「サ~スケ~!」
「鈴鹿…」
佐助が緩んだ顔で手を伸ばす
が、
あたしはその手をすり抜ける
グイッ…!!
「あんたには色々とされたっけね~?」
「ちょ…たんま、ガキの頃のお茶目な悪戯くらい水に流そうぜ~?」
「流せないモンもあるでしょう?ね?」
コイツには積年の恨みがある
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