突然の再会

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  驚愕の事実に言葉を失ってしまった二人を、レイは黙って見つめる。   彼女達には、ちょっと聞き入れ難い事実だっただろうか。   彼女らの様子を見たところ、カイからは何も聞かされていなかったみたいだ。     「カイともう一度話がしたい。 カイの家に案内してもらえるか?」     ルーラが地面に落とした視線を上げると、レイの真剣な深緑の目と自分の目が交わった。     「……分かりました。 カイの家はこっちです」     ルーラはくるり、と踵を返すと、レイの先に立って歩き出した。   戸惑いながらもリフはその背中を追い、その後ろをレイとトールがついていく。     「レイ様、そのお顔は目立ちます。フードを被って下さい」     途中、トールの気遣いに一度は渋ったレイだったが、トールの「目立って国王の耳に入ってしまっては困るでしょう?」という一言で、渋々フードを被った。   この様子からすると、黙って出てきたのだろう。   それにしても今日はレイ王子の誕生祭。   わざわざそんな日を選んで来たことに、意味はあるのだろうか。   暫く歩くと、カイの家が見えてきた。   ルーラは庭に通じる柵を越えドアの前まで来ると、コンコン、と軽快な音を立てて戸を叩いた。  
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