春風と共に

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  少年の言葉に、カイは微かに肩を揺らした。   そして眉を寄せると、少年を睨み付けた。     「……初対面のテメェが、何で俺の名前を知ってんだ」   「ちょっとやめなさいよ、カイ」   「五月蝿ぇ、お前ぇは黙ってろ。目障りだ」     いきなり喧嘩を売り始めたカイを、ルーラが慌てて鎮めようとする。   それを邪険にし酷い言葉を浴びせた。   そんなことをしても、ルーラは全く怯まないことくらい分かっているのに。     「初対面……ではない。」     少年の声にハッ、とすると、ルーラとほぼ同時に少年の方を見た。   相変わらず少年の表情は読めない。   ━━……と、自分に視線が集まったのに気付いた少年は、自分の被っていたフードに手を掛け後ろに落とした。     「━━……っ!?」     その顔にカイは、思わず息を飲んだ。   彼だけではない。 ルーラもリフも、同時に息を飲んで少年の顔を見つめた。   ━━……そう。   彼はカイと、瓜二つの顔をしていたからだ。  
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