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「どうしたー?鬼塚の罰喰らって朝からショックな太志君?」
「うるせーなぁ…」
「アハハッ。ごめんごめん。で.今日はどんな罰なの?」
「グラウンドの草むしり…しかもバケツ3つ分……」
「うっわ…きついね」
有希奈が乾いた笑みを零すと、何やら太志は突っ伏したままぶつぶつと呟いている。
「…………せいだ」
「…?どした?」
「全部春のこのポカポカ陽気のせいだぁぁあ!」
太志は急に上体を起こすと大きな声で愚痴を叫んだ。通常愚痴は零すものなのだが……。
当然クラス中は太志に注目する。
しかしこの事態も馴れているのか生徒たちは直ぐに予習や各々の会話を再びし始めた。
呟いていた太志に、耳を近づけて聴こうとしていた有希奈はモロにくらって耳を押さえていた。
そして、あまり長くない説教の時間を待つことが出来なくなり、机に突っ伏して寝ていた恭介はその大声で目を覚ました。
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