-1-

14/14
前へ
/15ページ
次へ
「「え?」」 太志と有希奈が恭介のほうを見て言った。それも綺麗にハモって。 恭介は黙っている。だが2人の変化は明らかに違っていた。 「ん?誰がだ?もしかして俺か?」 「な…まさか恭介って…」 もちろん恭介は太志に言ったのではない。鈍感男に好意を向けている女の子に言ったのだ。 「有希奈。頑張ってね」 恭介は微かに微笑みながら言った。その間も太志は訳がわからず頭上に?を散らしていた。 「ねぇっ!?いつから知ってたのよっ!?」 有希奈は恭介の肩を掴みながら聞き出そうとしているが、恭介には全く効かず頭をただ揺らしているだけだった。 「なぁ~俺にも内容教えてくれよー」 太志が呼びかけるがその声が2人の耳には残念ながら届かなかった。 ……いや。恭介には届いていたかもしれないが。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加