2節:アレン・サザンビーク 

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  『そういやぁ、さっきギル君がアンタ来てないかって探しに来たんだけど、会ったかい?』 『……ぐっ、んあ? ギルのおっさんが?』 口いっぱいに頬張っていたため、慌てて飲み込み反応したアレンが、不思議そうな顔でおばちゃんを見る。 『そんな顔するって事は会えてないみたいだね…… 「あいつは! 何故! モバイルスタッフを! 持ち歩かない! 連絡が! 取れんだろーが!」 って怒ってたわよ?』 オーバーな物真似を愛想笑いで流しながら、面倒臭そうに呟く。 『あー、今日授業入れてないからなぁ。せっかくノンビリしてたのに、休みの日までギルのおっさんに会わなきゃならないなんて……不幸な俺……あっ、ごっそさん』 勘定を済ませ外に出ると、ポケットからカードを抜き出し、語りかける。  
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