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ある桜舞い散る裏庭でー。俺はアイツを見かけてしまった。
そう、後の運命を大きく変えることとなる相楽 京介(さがら きょうすけ)に…。
ー 1 ー
その日、いつものごとく俺、柿崎 純(かきざき じゅん)は家への帰り道をショートカットするため裏庭を突っ切っていた。
アパートが高校の裏手にあるためいつもここを通るのだが、今思えば時間が悪かった…。
友人の林 達也(はやし たつや)が所属する生徒会の手伝いに強制参加させられた俺は、とっぷり日が暮れた夜道を急いでいた。
「…ったく、達也も人こき使うにも限度があるっての‼」
仕事を仕分けるとサッサと彼女と帰りやがった達也にブツブツ文句をいっていた時だった。
「……って!……っ…な!」
なにやら言い争っている声が聞こえる。こんな夜の裏庭で、一体誰が話しているのか気になった俺は声のするほうに近寄っていった。
「…っひどい‼じゃ、今までのことは嘘だったの‼」
「……何か勘違いしてるんじゃないか」
「‼この…詐欺師‼」
おいおい…。なんだ、このダークな展開は…。
何やらヤバい雰囲気バンバン感じた俺は思わずあとずさった。
ー バキッ‼
「っ⁉」
(俺の馬鹿ーー‼音出してどうすんだよ~しかも、あれは、確か相良先生。)
相良京介ー。
数学を担当している25歳。
独身&整った顔立ちに『ゲットしたい教師』一位、『一晩捧げちゃうゾランキング』一位…などとにかく女子に人気バツグンらしい。(達也情報による)
(そんな、先生がなんで裏庭で…)
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