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「っ⁉」
音に気づいたのか、生徒らしき女の子は勢いよく裏門からかけていった。
俺もその場を立ち去りたかったのだが、何故か体がうごかない。
「…誰かそこにいるのですか…」
落ち着いた低音ボイスが静かになった裏庭に響く。
「…君は…」
「あっ、…えっとそのっ、俺なんも見てねぇから‼…ほ、ほら今きたばっかだから、全然‼これっぽっちも見てませんからっ」
じっと見つめられた俺はペラペラと喋っていた。
「…そうですか、今きたんですか…」
「そうそう‼今着たの。相良先生偶然っすね~💦」
慌てて話しているため自分が墓穴を掘っていることに気づけなかった。
少しずつ相良との距離が近づいていることにも気づかない。
「…確か、柿崎…純クンですよね…」
「…っはい?」
(センセ~近い近い‼)
いつの間にか壁際に追いやられていた。
「しっかり見てましたよね?…嘘つきにはお仕置きしないと…ね。」
更に相良先生の顔が近づいて…。
「っ…⁉んっ~~っ‼」
(っあれ⁉何何何何何⁉…俺キスされて…~⁉)
パシャッ‼
混乱しまくる俺をよそに一瞬辺りが明るくなる。
が、相良先生は離す気はないようで、ますますキスをふかくしてきた。次第に気が遠のいていく。
(ぁ…なんか気持ちいいかも…)
相良先生が体を離した後も俺はしばらく動くことができずにいた。
パシャパシャッ‼
何度目かのフラッシュにようやく相良先生が携帯のカメラでとっていることに気づいた。
「っ何何何‼やってるん…」
「…せー…」
「?」
「うるせーってんだよ、ガキが」
「⁉⁉」
俺は一瞬誰が言っているのか理解出来なかった。
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