矛盾の綺麗さと殺人の美的さ

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2 村崎は生協に行くため、双山たちと別れ、由麻も友達と会うため、双山と別れた。 双山は、あと一つ授業があるので、学生棟に向かってとぼとぼと歩いた。 学生棟のガラス戸を開け、中に入る、外よりも暖かかった。今は三月、それにしては少し寒い。 薄暗い照明の階段を上がる、踊り場の掲示板には色々なポスターが貼ってある。 サークルの会員募集やどこかの楽団のコンサートの案内、一年前から貼ってある講義の案内も、色褪せているが、しっかりと貼ってあった。 双山は階段を上がりきり、右に折れて廊下を歩く、右手には窓が並び、左手には等間隔で、扉が並んでいる。 六つ目の扉を開けて、教室に入る、双山は教室を見渡したが数人しか座ってない。携帯電話の時計を見た、三時五十分、あと少しで授業が始まるので、一番後ろの右側の席に座る。そこは彼の特等席である。 授業開始時間になり、扉から助教授が現れ、教壇に立った。 今から始まる時間が双山の中では一番有意義な時間である。 助教授が第一声を上げ、有意義な時間が始まった。
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