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爽やかな風が吹き渡る夜の大地――
「ふぅ………」
さらさらと、短い茶髪を風に踊らせる青年
――スコール
いつも隙がない態度の彼は、夜だけ無防備になる
それは若さ故の疲れが溜まるからであった
昼間は仲間と共にカオス勢と戦い、夜は交代で休息をとる。
今はスコールが休息をとる番だった。
ただ無言で空を見上げる彼は肌が白く、月光の美しい光を受けて一層輝きを増していた。
しかし、そんな彼に黒い影が迫っていた――
「光の戦士とあろう者が無防備にこんなところにいるとはな…」
「っ!!……」
低い声が夜風と共に運ばれて来た。
カオスの気だ―――
バッと身構えて後ろを振り向く。
そして目に映ったのは風に流れ踊る白銀の長髪――
「……何をしに来た…セフィロス…」
ガンブレードを手に相手を睨む。
「聞かなくとも大体わかるだろう?」
「夜襲にでも来たのか……」
「……ふっ…ククッ……違う」
切れ目の美しい顔がニヤリと妖笑する
「光を奪いに来た―――」
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