一と零の交点

出会い

　今日も、あいつは来ていない。

　俺は、大人しそうな女の子が座っている席を見て、頭を抱えて溜め息を吐いた。
　この溜め息は別に、この子に何らかの特別な感情があるとかじゃ、決してない。
　この女の子は、一年五組の副ルーム長。本来この会に出席するのはルーム長だ。
　そう。俺が気になるのは、ここにいない奴、ルーム長の方だった。

　俺が生徒会長になってから度々開かれた中央委員会。

　一度も、あのクラスのルーム長、広江柚流は参加をしていない。