序章・『バガラリー』

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何か出来ると夢を見ていた。 それは子供ながらの『夢』だったのか、どこからか湧いて出た『使命感』なのか…… それとも『イタい』奴だったのかは分からない。 でも子供の頃の俺は希望に満ちて話していた。 俺は将来でっかい事をするんだっ! って…… そう言って家族や友達に言いふらしていた…… (例え今はこんな風にサボり魔になっててもね……) 俺の名前は『夜神心』(やがみこころ)。 女っポイ名前とは裏腹にこの高校では不良の烙印を押されている問題児……らしい。 ~夜神心、in日本、東京~ 日差しが眩しい…… だけど適度な強さで吹く風が肌に心地いい。 日差しさえ気にしなきゃ良好な昼寝日和だと思う。 俺は屋上で大の字になって寝転んでいる。 今は昼休みの後の授業中。 ……要するにサボリだな。 ………別に好きでサボったんじゃない。 昼飯をここで食べてて…… 気が付けば寝てて…… 今に至るってワケだ。 隣には一緒に寝転んでる友達がいる。 友達……と言うか悪友と言うか…… 判断を迷うところだが一緒に行動する時間が多い奴って言うのは間違いがない。 名前は『相川力弥』。 髪は金髪、服をだらしなく着こなしてるのが特徴と言えば特徴だよな…… でもこのくらいは普通だと俺は思う。 とは言えここは都内の有名進学校。 身嗜み、授業態度は口うるさく注意される。 だからかこんな格好をして、授業中にエスケープしたりするだけでこの学校では『不良』になってしまうのだ。 「なぁ夜神……」 普段明るい物言いをする相川が珍しく真剣な表情で俺に話しかけてくる。 「何だよ……?」 俺は返答を相川に顔を向けずに返す。 「ハラ減ったよなぁ……」 唐突に何を言い出すんだこいつは…… 「お前が  『昼飯を我慢して昼飯代を浮かせる』  って張り切ってたんじゃないか……」 こうなる事は簡単に想像つきそうなモノなのにな…… 「ダメだ~  我慢出来そうにない~」 何とも覇気のなさそうな声で空腹を訴えてくる相川。 「だからさ夜神……  何か食べるもの持ってない……?」 人頼りかっ! 「冷水機でがぶ飲みしてこいよ」
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