序章・『バガラリー』

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モテモテ…… 俺は怖くて寄り付かないようになりそうだ…… 仮に…… あんなのが現実にあるなら凄いだろう、それは俺も思う。 でも結果は見えている。 畏怖の対象として生涯を送るか…… さもなくば何らかの手段で拘束されて研究所送り…… それはあまりにも頂けない。 「夜神はモテモテになったらどうする?」 ってモテモテ……? それは嬉しい…… じゃなくてどうやら相川の思考は全てソコに帰結するらしい。 「そうしたらあの綺麗な隣のクラス委員のコだって……  どうせなら纏めて他の人も僕は相手に出来るし……!」 終わりの無い妄想は膨らみ続けるしかないみたいだ…… 実現しない展開を夢に描き相川は鼻息を荒くする。 誇大妄想癖があるんだなコイツ…… あと纏めて相手って…… それは最低だろう相川君…… 「あ、あとそう言えばさ……」 やっと(妄想の世界から)帰ってきた相川が何かを思い出した様に言う。 「アメリカのどっかでは猟奇殺人があったんだってさ……」 アメリカのどっかって…… 何て曖昧な情報なんだ…… 「アメリカの出来事なんか何でお前が知ってるんだよ……?」 知っててもおかしくはないかも知れないがコイツがニュースを観るのは想像つかないと思う。 「へっへー。  『バガラリー』だよ」 「バカラリー?」 「誰がバカなんだよっ  バ・ガ・ラ・リー!!」 『バガラリー』……? って何だっけ? 「あ、さてはお前知らないんだな?」 ……確かに知らないけど相川にそれを突っ込まれると負けた気持ちになる。 「知らねー……な」 でも『バガラリー』が何かは若干気になるのだ。 ここは素直に認めて教えて貰った方が話がスムーズに流れる。 「『バガラリー』は大手の検索サイトだよ」 検索サイト……? 「検索サイトで何でニュースなんだ……?」 GoogleやWikipediaは物事が調べれてもニュースまではわからない。 「最後まで聞けって!  バガラリーは検索サイトでありながら世界のニュースをいち早く掲載して尚且つそれも検索する事が出来るんだぜ?」
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