一本の電話

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「ねぇ、本当に行くの?」 廊下を堂々と歩く鍵に僕は後ろから追いかけるように歩きながら問いかける。 「もう行くってメールでいっちまったしな」 ケータイを僕に見せながら鍵は言う。 鍵は凄いなぁ、今から女子の部屋に行くのに平然としていられるのだから。 「ちなみにどこの部屋に行くんだ?」 僕の横にいた三岡くんが鍵に聞く。 「そりゃあ、ハジメの想い人のところに決まってんだろ」 鍵が当たり前のように言う。 「想い人?…って美紀のとこ行く気なの!?」 夜中に何する気なんだよ。 やっぱ、鍵の考えてることはわかんないや。 というか、どうしよう! まずいでしょ!夜中に男子が女子の部屋に行くって… まさか、あの会話からここまで発展するなんて… 今から10分前。
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