一本の電話

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「どうしたの?急に廊下なんかに出て?」 鍵に強制的に廊下に引っ張られた僕は先生がいないかを顔を左右に動かしながら確認している鍵に聞いてみた。 三岡くん達も廊下に出ている。 いったい、何をする気なんだろう? 「女子の部屋に行くんだよ、女子の。さっきメールが来てな」 鍵はズボンのポケットからケータイを取り出し、僕達に見えるように画面を見せた。 そこには 『鍵くん、暇なら女子部屋、来て! by女子一同』 と書かれたメールがあった。 意外だ、果てしなく意外だ。 鍵がこんなにモテてるなんて…しかし、 「おぉ、女子の部屋か!」 「いいね、早く行こうぜ!」 「…カメラ持ってくる」 それを見た三岡くん達は異常なまでのテンションになっていた。 確かにテンションは上がるけどさぁ、なんか危ないよ、このメンバー。 「鍵、やっぱ行くのやめよ。なんか犯罪者がこの班から出そうな気がするんだけど…?」 「安心しろ、アイツらはただの教師達に捧げる捨て駒だ」 ふふふ、と鍵が不敵な笑みを浮かべながら言った。 な、なんて奴だ。 友を犠牲にしてまで女子の部屋に行きたいのか、鍵は! 「み、見損なったよ、鍵!」 「しっ!黙ってろバカ!」 そう言って僕の鳩尾に的確にパンチを入れる鍵。 僕は崩れるように床に倒れ込む。 「ん?どうした?」 「鍵斗、なんでハジメ、倒れてんの?」
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