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「やっぱり、悪の塊だよねぇ!?なに、この手際の良さ!?」
まるで赤子の手を捻るようだ。
いや、捻るどころか折っちゃう勢いだよ。
「まぁ、そんなことはどうでもいい。それより、修学旅行の夜といったらアレだろアレ」
あ、どうでもいいんだ。
じゃあ、僕はどうしてこんな状態なの?ねぇ!!
僕の必死の目の訴えが通じたのか、鍵が掛け布団の拘束を解いてくれた。
「アレってなに?」
拘束された時にくしゃくしゃになった掛け布団のしわを元に戻しながら尋ねた。
「好きな娘が誰かって話」
「えぇ!!」
鍵がこんな話題をするなんて…というより鍵って好きな娘、いたんだ。
気になる、なんか鍵だとやけに気になる。
「じゃ、まず先に寝たバカどもを起こすぞ」
「OK」
鍵に言われた通り、先に寝た班員を起こす。
班員は全員で五人なので起こすのにさほど時間はかからなかった。
「おし。全員、起きたな?じゃ、始めるぞ」
「うん」
「いつでも」
「誰から?」
「つ~か、マジでやんの?別にいいけどよぉ」
僕に続いて班のみんなも頷く。
「じゃ、まず三岡からな」
「はっ!?なんで俺から?」
僕の隣にいた三岡くんはビックリして飛び起きた。
「いや、なんでって…お前が三岡だからだろ?」
「それが理由!?」
三岡くんは口をぱくぱくしながら驚いている。
そりゃそうだ、僕でもビックリだよ。
「いいから、早く言え」
そして強引に押し切りやがった!!
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