楽しかったあの頃。

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「わかったよ、でも絶対言うなよ?」 あぁ、なのに言うんだ… 「俺の好きな娘は二組の墨田 美月だ」 墨田さんって確か一年生の中で一番の美人って言われてる人だったような。 墨田さんって綺麗すぎて近づきがたいんだよなぁ、人気だし。 三岡くんの恋は叶いそうもないな。 「あっ、俺も」 「俺もだ」 しかも、こんなに近くにライバルが二人もいたよ。 「じゃ、後は俺達だけだな…」 鍵がつまらなそうに呟く。 あ、そうか。今ので三人が言ったから後は僕と鍵だけなのか… 「じゃ、次はハジメな」 「えぇ、僕ぅ!?好きな娘かぁ」 いるにはいるけど… 言っても大丈夫かなぁ? 「絶対に言わないでよ?」 念のため言わないよう注意を促す。 「大丈夫だ」 「言わねぇよ」 「安心して言いな」 次々とみんなに言われて、言っても大丈夫な気が… 「俺達の口は豆腐より柔らかいから安心しな」 ねぇ、今もの凄い発言した人いなかった? 「ねぇ、本当に大丈夫なの?果てしなく不安なんだけど」 「早く言え。みんなも言ったんだぞ」 鍵がそう言ったので心底、不安だが僕は意を決して言うことにした。
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