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「そんな事を、彼女に話したら、それは絶対無理だって。」
「はあ…」
「でも、だからと言って今すぐ別れるとかじゃなくて、とにかく続いてんだけど、卒業したら、多分別れるかな」
「えっ、そんなもん?」
「分からんね~。一応まだ先の話やから。でも、自分のしたいことを曲げるタイプじゃないんだよなあ、お互い。」
そして、彼は苦笑した。
そして、今まで見たことも無いような、切なげな表情を浮かべたのを見た時、
喉の奥に息がつかえるような、胸を締め付けるような感覚が沸き上がった。
私は思わずうつ伏せになって、それを閉じ込めた。
これは、きっと、私より何歩も先に進んでいた彼への苛立ちか、嫉妬なのだ。
目を閉じて、息を吐いた。
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