お城と夢

5/11
前へ
/27ページ
次へ
「ふー……」 璃乙は体を洗い終えて、湯船に浸かった。 「なーんか、こうなると眠くなっちゃうなー ……なんて…」 そう言ってる間にも璃乙の表情は完全に緩まり、目もとろんとしていた。 いざ、眠りの世界へと行こうとする瞬間、 「璃乙さま、着替えとタオルをお持ちしました。 篭に置いておきます」 幼く可愛らしい声だが、凛とした口調が浴場に響いた。 「は…はいっ!!」 璃乙は急に現実世界へ引き込まれたせいか、焦って上擦った声で返事をしてしまった。 「それでは失礼しました。」 そう言い、外の気配が消えた。 璃乙は、ふう、とため息を吐くと、 「上がろ…」 そう呟き湯船から上がり、出口へと歩を歩めた。 「んー……」 璃乙は、風呂から出て体を拭き、薄い灰色の長袖のワンピースを着て、悩んでいた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加