謎の少女

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(誰…?もしかして夢で言ってた……) 璃乙は強張って、布団を深く被った。 そして息を潜め、もう一度靴音を聞こうとした。 コツ   コツ  コツ    コツ    コツ… 靴音は璃乙の居る部屋の前で止まる。 「………」 (どうしよう…… 逃げなきゃ…こ…殺さ…れ……) コンコン 「!!!」 璃乙は悲鳴を挙げそうになったが、辛うじて耐える。 「璃乙、起きられまして?」 可愛らしい品のある、聞いた事がある声がした。 「…!」 (よかった…プリンセスだ……) 璃乙は安堵し、ゆっくり息を吐いた。 そして返事をしようとすると   ――危ないよ 何故か、夢で聞いた声が頭の中で響く。 「璃乙?」 再びノックの音が響く。 「………」 璃乙は起こしかけた体を、もう一度ベッドに沈めた。 そしてドアの方を向き、目を閉じた。 (何してんだろう…私… …プリンセスは親切な子なのに…) ふいに璃乙は罪悪感を感じた。
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