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「きゃっ!」
小さく悲鳴を挙げて、プリンセスは尻餅を着いた。
そのまま、璃乙はシーツや布団も、プリンセスに被せる。
「ごめんね…!」
そして急いで部屋を出て、長い廊下を走り出した。
「出口…!出口は……!!」
璃乙は、首だけ左右に動かし走り続け、出口を探す。
「……あっ!!」
ふと璃乙は窓を見た。
「ここ一階だ……
よし、窓から出よう…」
璃乙はそこから近い部屋に入り、椅子を使って窓枠を上り、外に出る。
「よっ…」
璃乙が上手く着地した瞬間。
「欠片共!!!!!欠片共ぉ!!!!!!!」
上の方、三階辺りに、プリンセスの怒声が響く。
どうやら、やっと大きい布団から抜け出せたらしい、だが、声からだけでも、かなり怒っているのが分かる。
「やばい…凄い怒ってる…怖い……」
(でも欠片『共』って……何か割れて散ったのかな…)
そう考えながら璃乙は、見つからないように草陰に隠れながら、森へと身を隠そうと走っていった。
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