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「はっ……はぁ…っはぁー……」
璃乙は森の中間辺りまで走って、木の傍に座り凭れ、乱れる呼吸を整える。
(これからどうしよう…もう帰りたいよ……)
「うう……っ…」
じわじわと璃乙の目からは涙が溢れてきた。
「なにを泣いてるの?」
「!!」
突然声をかけられ、璃乙はバッと顔を上げた。
そこに居たのは、年はプリンセスと変わらず、5,6歳位で綺麗な明るいオレンジ色の髪を、二つに分けて括り、その大きな瞳は綺麗な茶色で、服装は棒人間がプリントされたパーカーに、スカート、と髪の色を覗けば、何処にでも居そうな子だった。
オレンジの髪の女の子は、璃乙の顔を見て驚く、
「璃乙!」
「…っ!!」
名前を呼ばれた瞬間、璃乙は更に泣き出した。
「おねが…っ……プ…プリンセスに…は…言わないで…!!!」
璃乙は泣きながら、女の子を見つめた。
「あたしが?まっさかー!!!!
あんな高飛車姫にチクるわけないじゃん!!」
女の子はケラケラと笑う。
「へ?」
璃乙はくしゃくしゃの顔のまま、呆然と女の子を見た。
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