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「…あ……あの……ここ、何処ですか?」
(なんか、この子見た事あるなぁ……そんな訳無いか…)
璃乙は少し動揺してしまい、おどおどとした話し方になってしまった。
「この世界を知らないの?」
少年は目を見開いて璃乙を見た。
(世界?え…日本じゃないの?
それとも言い方悪かった?)
璃乙が訂正を言おうとした時、少年はいきなり璃乙の両腕を掴む
「もしかして君は璃乙?!本当に璃乙!!!?」
璃乙は何故、自分の名前を知っているのか疑問に思ったが、声を荒げる少年の気迫と掴まれている部分が痛くて素直に頷いた。
「そうか…本当だったんだ……そうなんだ…ああ、僕はどうしよう……」
先ほどの気迫とは打って変わって、少年はうな垂れて座り込む。
だが、急に顔を上げ真剣な眼差しで璃乙を見た。
「璃乙!!!いいかい、早くこ」
途中でプツンと少年の言葉は途切れた。
「……」
璃乙は一回上を見た。青い清々(すがすが)しい空が目に映る。そして、ゆっくりと下を見た。
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