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「へ……?」
璃乙はポカンと子供達を見た。
だが、子供達は特に顔色を変えずに、次々と話し出す。
「来るかな?」
「来るの?」
「来るよね?」
「来るよ」
「来るね」
「璃乙がいるからね」
「どうする?」
「どうしよう?」
「帰る?」
「帰ろうか」
「そうだね」
「帰ろう」
「帰ろうよ」
「じゃあ行こうか」
その言葉と共に子供達は、家のある方に向きを変え帰って行った。
「気をつけてねー」
途中、5~6歳の子供達が璃乙の方を振り向き笑って言った。
まるで友達同士が「バイバイ」と言うような口調である。
璃乙は薄く笑い、手を軽くゆっくり振る。
誰も居なくなった草原で璃乙は、墓標から少し離れた場所に座っていた。
「訳分かんない……
何コレ…ここ本当に日本?…て言うか……夢…?」
頭を項垂れ呟く、ふと遠くで声が聞こえた。
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