子供の世界

7/8
前へ
/27ページ
次へ
「私は……知ってるよね」 「ええ、璃乙でしょう?この世界では有名ですもの」 「へえ……」 (こんな殺しの世界で有名になりたくないな… つうか私はこんな世界知らないし) ホホホ…と上品に笑うプリンセスを見ながら、璃乙はぼんやりと、そんな事を考えていた。 「あ……そう言えばプリンセス…、さん」 「プリンセスだけで良いですわ」 プリンセスはクスリと笑う。 「えっと……プリンセス…あの石の下の男の子……死んじゃったんだけど」 璃乙は先ほどの石を指差す、だがプリンセスは驚くことも無く 「ああ……」 眉間に皺を寄せて、璃乙が指差した石を睨んだ。 「…プリンセス?」 璃乙は怪訝そうにプリンセスを見つめた。 「何でも無いですわ……あんな罪人は忘れてよろしくてよ璃乙。 あの子はとても重い罪を犯してしまったのだから」 「そうなの?」 (あんな犯罪の『は』の字さえしないような子が…世も末だなぁ… でも犯罪犯したら即処刑って…ここの人権どうなってんの?) 璃乙は細かい事を無表情で考えた。 その間プリンセスは璃乙の姿を上から下まで、じっくりと見ていた。 やがて、ぱんっとプリンセスは笑顔で手を叩いた。 「璃乙!お風呂にお入りにならない?」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加