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「私は……知ってるよね」
「ええ、璃乙でしょう?この世界では有名ですもの」
「へえ……」
(こんな殺しの世界で有名になりたくないな…
つうか私はこんな世界知らないし)
ホホホ…と上品に笑うプリンセスを見ながら、璃乙はぼんやりと、そんな事を考えていた。
「あ……そう言えばプリンセス…、さん」
「プリンセスだけで良いですわ」
プリンセスはクスリと笑う。
「えっと……プリンセス…あの石の下の男の子……死んじゃったんだけど」
璃乙は先ほどの石を指差す、だがプリンセスは驚くことも無く
「ああ……」
眉間に皺を寄せて、璃乙が指差した石を睨んだ。
「…プリンセス?」
璃乙は怪訝そうにプリンセスを見つめた。
「何でも無いですわ……あんな罪人は忘れてよろしくてよ璃乙。
あの子はとても重い罪を犯してしまったのだから」
「そうなの?」
(あんな犯罪の『は』の字さえしないような子が…世も末だなぁ…
でも犯罪犯したら即処刑って…ここの人権どうなってんの?)
璃乙は細かい事を無表情で考えた。
その間プリンセスは璃乙の姿を上から下まで、じっくりと見ていた。
やがて、ぱんっとプリンセスは笑顔で手を叩いた。
「璃乙!お風呂にお入りにならない?」
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