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どうも、佐藤 淕と言います。
実は俺…とっても面倒な体質なんです。
ダチの祐からは『羨ましいんやけどなぁ』と言われてますが…。
俺からするとめっちゃ困るんです…色んな意味で命に関わるので。
「なぁ、祐…お前さー俺と変わってくんね?」
教室でのんびり過ごしてる俺と隣で持って来てはいけない本を読んでいるダチの皆川 祐。
俺の事を大体理解している祐にいつもの様に言うと。
『アホか…俺かて変わりたいわ、ホンマ羨ましい体質しとるくせに』
普通に返される。理解しているつもりであっても欲には勝てないらしい。
『ちょっと!学校にそんなもの持って来たらダメでしょ!』
『ええやろ、優希には迷惑かけてへんし』
「祐が持ってくるのはいつもの事じゃん」
二人で会話してる所に南美 優希が、注意しにきた。
その注意を受け取る気がない祐は普通に返す、そして俺はいつもの事だと言う。
すると優希は矛先を俺に変える。
『悪いものはダメなの!特に淕…アンタは見たらダメだからね…』
「なんで?俺が見たっていいじゃん、優希には関係ないじゃん…あっ」
『…う、うるさいわよ…ダメったらダメなの、関係なくても…ダメなの…』
俺は自分の発言にしまったっと頭に手をやる。
優希は軽く涙目になりながらも、意地なのか泣かない様に気を付けている。
「わかったから…見ない、見なけりゃ良いんだろ?」
『そ、そうよ…見ないなら問題はないの…。もう…祐君がそんなの持ってくるから悪いんだよ…。』
なんとかこの場をおさめようと、納得する言葉を返すと落ち着いてくれた優希はまた祐に注意する。
『おぉ~!!!やってるねぇ、淕は凄い人気だもんねぇ~』
「げっ、砂羽…なんで出てくんだよ」
『ひっど~!!せっかく盛り上げてあげようと来たのに~』
明るくて元気いっぱいのコイツは斉藤 砂羽。
俺の幼馴染みでもある、俺の困った体質を知ってるくせに何故か必ず女の子を紹介してくる。
「盛り上げなくて結構、俺は忙しいの」
『なんでアンタが出てくんのよ…』
俺が落ち着かせようとしてるのに優希は砂羽を睨む。
砂羽は全く気にしてないのか、にこにこと気持ち悪いくらいに素晴らしい笑顔で居る。
『べっつに~、うちは淕と話しに来ただけだし?』
そう言って砂羽は、俺の腕に抱きついてくる。
優希を挑発したいらしい。
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