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田舎に着くと、晴子さんと、親戚一同が既に集まっていた。
晴子さんは、泣いてはいなかったが、前に会った時よりも白髪が増え、確実に老けてみえた。
今年で六十八歳だというのだから、当然かもしれないが。
父が挨拶を済ませ、大分落ち着いた雰囲気になると、親戚の叔父さんが私に声をかけた。
「真由ちゃんは、今年で幾つになったんだい?」
「十五歳です」
私は淡々と答えた。直前に、祖父の死顔を見たショックを引きずっているみたいだ。
「ということは中学生か」
「来年三月で卒業ですけど」
ただでさえ、明るいほうでない私は、きっと少し怖くみえただろう。
無表情の人形のように。
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