268人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
口をとんがらしてブーイングしてふざける春樹
「…あいつはガキか…」
ボソッと笑いながら呟く志摩
その呟きは店内に流れるラップの音楽や雑音で掻き消された
「志摩!ちょっと!!」
「?」
春樹に呼ばれて志摩はベンチから立ち上がり春樹に近づいた
「どうした?」
「コレ…」
「へぇ~似合ってるじゃねぇか」
試着室の中に居るのは勿論水城
黒い帽子、ゴシック風のTシャツ、穴のあいたジーパン
「水城君モデルいけんじゃねぇ!!!」
目をキラキラ輝かせながら言う春樹…余りに似合い過ぎていて負けじと意地をはる志摩
「まぁ~俺以上ではないがな」
「お前は子供かよ!」
「…!」
そんな雑談している2人は女性客や店員の熱い視線には気付いて居なかった
(………後が怖い;;;)
一人気付いた水城は密にそんな事を思っていた
馴れない視線の痛さに耐え兼ねて水城は志摩の袖を引っ張った
「…?!」
「どうしたの…?」
そっと後を振り向く……志摩…
見馴れた好景気だが多少なりとも顔が引き攣る
即座に胸ポケットからサングラスをかけ小声で「女性に囲まれている」とだけ春樹に伝えた
春樹もそっと後を振り向くその瞬間…小声で「振り向いた!!!」や「カッコイイ!!!」の黄色い歓声がザワザワと聞こえる
最初のコメントを投稿しよう!