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春樹はラジオを消した
「後少しだから」
「わりぃな春」
「いいよ」
「……水城マンションに帰ったら話がある辛いかも知れないがいいか?」
ほんの少し頷くのを横目で確認すると水城の手をぎゅっと握りしめた
「それじゃあ僕車駐車場入れてくる」
「ああ」
春樹を見送ると志摩は水城を連れ自室へ向かった
ガチャ
鍵を開け中へ入る
リビングへ向かい、いつもと同じようにソファーに座る
「ほら突っ立ってないで座れ」
普段の志摩からは想像もつかない程優しい音色で水城に話す
志摩に促され隣に申し訳なさそうに座る水城こと悠斗
「みず…違うな…悠斗」
「そんな顔すんなよ嫌なのか?」
今にも泣き出しそうに眉間にシワを寄せている悠斗
「分かった水城」
「いいかラジオで流れたアイツ嫌いか?」
【昔は大好きだった】
「今は?」
【大ッキライ】
「辛くなったら話さなくていい何をされた?」
水城のペンが止まる
【殴られた】
「他は?」
【蹴られた】
【母さん殴られてた母さん死んだら僕が殴られた】
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