封じた記憶

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    その頃は皆笑ってた 母さんもあの人も僕もあの人の秘書の斎さんも 母さんはいつしか病気でよく眠っていたから僕が側にいた あの人は仕事が忙しくて滅多に家に居なかった あの人が帰ってくるといつも臭かった 甘ったるい匂いと異様な臭い そして真っ赤な顔でお酒を飲みながらブツブツ言ってた この時のこの人は近づいちゃダメって母さん言ってたけど母さんはあの人に呼ばれたら行かなきゃ行けない 「聡美!!おぃ聡美!!!」 「はぃ……」 (母さん…) 「呼んだら早くこいこの役立たず!!」 パシン 「っ……すみませんアナタ…」 「酒持ってこい!酒」 「はい」 この人が帰ってくる時は家政婦のお姉さんは居ないから母さんがいつもフラフラしながらお酒を出してた    許せなかった 悔しかった何も出来ない自分が
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