ルビー

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「お疲れ様でした。」 閉店後のミーティングも終わり、スタッフ達はガヤガヤと帰って行く。 私は、ポケットの中に手を入れ一枚のカードを取り出した。 そのカードにはローマ字で【kiryu】と彫られていた。 あの時、尚之さんは私の制服のポケットに、こっそり部屋のキーを入れていたのだ…。 ロッカールームで着替えを済ませ、社員専用出入り口から出ると、車の横に清水さんが立っていて、私を見つけるとニコッと笑い車のドアを開けた。 「専務のマンションまでお送り致します。」
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