俺は女子

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    「ただいま~……って誰もいないけど」     鍵を開け、靴を脱いで中へと入って静寂が流れる部屋にぽつりと呟く。  俺ん家はそこそこ金は持っている方だったのだが、父親の敷かれたレールに嫌気が差して家から金持って飛び出した。   こうして奴らがいる愛知からわざわざ東京まで上京(洒落ではない)し、このボロアパートに身を落とした。     とはいえ俺はこの生活を気に入っている訳で、心配した母親が毎月生活費は振り込んでくれるし、学費も払ってくれてるのでまぁ……良いかな……みたいな考えだ。       将来的に頑張って返さなきゃなぁ……母親には。あんな腐った親父には絶対返さないけど。    
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