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「滲みるけど我慢してね」
「うぅ…」
消毒液をかける俺の手首を小さな手でギューッと掴む。
やべー、かあいいわ。
「…千鶴、お前まで掴むな」
「ぶー、私だって怪我して来るもん」
何を拗ねてるんだこいつは。
ま、膨れた顔も面白いしすぐに元通りになるから放置しておこう。
「はい、終わったよ」
ガーゼをテープで止めてまた涙目になってるから頭を撫でてあげた。
所謂母性本能をくすぶられたってやつだな。男だけど。
「ありがとう…えと…ボクは日向 美都(ひゅうが みと)だよ」
「俺は南雲恭哉。で、こいつは」
「葛西千鶴だよ。美都ちゃんは何組なの?」
「H組だよ」
「一緒だ!美都ちゃん同じクラス何だね!」
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