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ふと気付けば屋上にいた。
強い風のため、髪で視界が悪くなる。
髪を抑えながら前を見ると、同じように髪を抑えている人がいた。
向かい合わせで話していたが、顔は見えない。
服装からして女の子だろう。
少女は屋上の隅にあるフェンスを乗り越えていて、1歩でも後ろに行けば落ちてしまいそうなところにいた。
止めるように声をかけると、泣きながら何かを叫んでいる。
聞き取れなくて近付こうとした時、今までよりも強い風が吹く。
少女の体がぐらっと揺れた。
少女の姿が消えるまでが、とてもゆっくりに見えた。
その間に動くことも出来ず、ただその光景を見ていた。
少女の姿が完全に見えなったとき、少女がどうなったのかを理解した。
そのまま悲鳴を上げ倒れた…。
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