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3日後、引っ越しを終え、佐賀との二人暮らしが始まった。
春休みの間は虹が頻繁に通ってくれ、先に述べたように、女の子としての色々を教えてくれたのだが、今日からは、そうではなくなる。虹は自宅通いだからだ。
「ただいま!」
「お帰り、早く、着替えちゃって手伝っておくれ。主役だけどね。」
彩衣は着替えてしまうと佐賀を手伝い始めた。
つい、この間まではろくに家の手伝いなんてしたことなかったので、最初の頃は炊事や洗濯、掃除は大変だった。
しかし、3週間近く経った今では、そうでもなくなってきて、むしろ楽しいくらいだった。
入学祝いでごちそうを食べている途中、佐賀が今日の事について、色々聞いて来た。
彩衣は入学式の話やクラスメイトの話、虹が同じクラスになった事などを話していった。
「そうかい、虹ちゃんとは同じクラスでよかったね。これから、色々大変な事もあるだろうけど、困った事があったら、いつでも相談するんだよ。そして、さえちゃんもみんなの相談相手になっていくんだよ。」
彩衣は、佐賀の話を聞いてハッとなった。
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