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一方の女子の方は、33人もいる。将来の仕事のためというのは虹くらいで、あとは新設高校だから、興味があったなど、様々な理由があるようだ。
その中で彩衣が特に気になったのは、君島望美だった。
彼女は、女尊男卑の考えの持ち主で、男子と学校生活を過ごしたくなかったようで、私立の女子中学校を自ら希望した。
普通であれば、そのままエスカレーター式に進学すればいいのに、あえてこの高校を選んだようである。
その理由は「男子なんて、ろくな存在ではないから、みなし女子高生を一日も早く、真の女子高生に近付けていくために貢献したいから」らしい。
さっそくマニュアルをみなし女子高生達に配ってくれた。
彩衣は、マニュアルを一瞥すると、煩わしい存在だなと思った。
そんな事に使命感を持たれるのは迷惑、というより、いらぬお世話だ。
第一、みなし女子高生の全員が全員、最終的に女性になりたいと思っているとは限らない。
こういうお節介焼きは関わらないに限るが、そうもいかないだろう。
(まぁ、お手柔らかに頼みますよ…)
彩衣は苦笑した。
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