ただ死んで逝くこと…

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ただ死んで逝くこと…

    「余命…2ヶ月です。」                           そう申告されて、もう一ヶ月と二週間になるだろうか?最近になって身体が言う事を利かなくなっている。僕の身体は医者から言われたように、もう先が長くない事を告げていた。                     今日はとても晴れている。僕は母親に頼んで毎日のように通っていた公園に連れて行ってもらった。 この九年間通い続けたお気に入りの公園のベンチに座らせてもらう。母親はこんな僕を哀しそうな目で見詰めていた。僕はそれが堪らなく嫌で、傍らにあった暇潰しにと持って来た本を手に取って回りを見回す。 目に入ったのは公園を走り回る元気な子供達の姿。幼い頃から病弱だった僕は過去数回、元気な子供を羨ましいと思った事がある。さっきも言ったけど、元々病弱だった僕は少し小走りしただけでも息切れが激しく、すぐ発作を起こしたりしていた。そのせいか、周りからいつも邪魔扱い。此所に居るのに居ないのと同然の扱い。今思い出しただけでも嫌になるけど、もう僕には関係ない。    
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