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「なんだ、お前ら仲わりぃのか?」
「……拓斗が嫌ってるだけ、だと思う。楓は人を嫌う事は滅多に無いから」
「しーちゃん!助けてーっ、たっくんが近いぃー」
平井の方を見れば、新羅に胸倉を掴まれた平井が、涙目で雅に助けを求めていた。
「……拓斗、今授業中だよ」
「っつっても、コイツまじむかつくんだよっ!」
「あ、ねぇねえ!今って何してたの?」
新羅の言葉は全く聞いてないのか、平井は胸倉を掴まれたまま、黒板を指差した。
「あ、今、体育祭の徒競走を決めてましたっ」
「体育祭かぁー」
「平井は参加しないんだろ?親から聞いてる」
「うん……ボク、運動すると眠くなっちゃうんだ」
へへっと悲しそうに笑う平井。…未だに新羅に胸倉を掴まれたまま。
運動が出来ないせいか、平井は女の子の様に細くて、色白いのだ。
「まっ、ボク的に運動するより、寝てるほーが…痛っ」
「阿呆かっ!!お前も出るんだよ、体育祭っ」
開き直る平井の頭をベシッと叩くと、きっぱり言った。
「そりゃ無理だな。平井の親に言われてんだから。モンスターペアレント化したら、どーすんだ?面倒臭い…」
「そん時は…、臣の身体を差し出す」
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