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「っみ、みーちゃん!?」
「…婚約者?」
「……楓の?」
慌てる平井と、キョトンとしたままの新羅と雅。
「何か、ややこしくなってきたな…面倒臭い」
「お前…何で隠してたんだよっ!」
「えー、だって…。たっくん絶対に笑うと思ったから」
「てめぇ、俺をなんだと思ってんだ?笑うわけねーだろっ」
「……そうだよ。拓斗は、笑ったりなんかしないよ。もし、拓斗が楓の事を笑ったりなんかしたら、僕が叱ってあげる」
「ひっ、ヒドイよ臣っ!!」
楓の頭をポンポンと撫でながら、雅は優しく微笑んだ。
雅の笑った顔を見るのは、幼馴染みの二人を除いた皆は初めてだった(入学式から一日しか経ってないが)。
「み、未世っ!平井君と知り合いだったの!?」
「ん?だから、婚約者なんだって」
「婚約者って…。私達まだ中学生だよ?」
「分かってるわよ!でも、早めに予約しとかないとっ」
「予約って、ヒドいよぉ!みーちゃんっ」
「まぁ、しょうがねぇよなー。楓ん家は病院だからな」
「……しかも、一人っ子だしね」
「そうっ!だから、早めに予約を」
「でも、竜ヶ崎。コイツひょろひょろだぜ?」
新羅は、平井の肩に腕を回すと、空いた手で平井の頬をペチペチと叩く。
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