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「日向と俺は、一緒に住んでるから、ね?」
「ああ、家賃代は全部、姫璃持ちだから便利だろ?たまには役に立つよなー、馬鹿姫も」
「ひっどいなぁ…日向は!」
篠崎はからかい口調でフッと笑うと、頬を膨らませる馬鹿姫…じゃなくて、妃。
『全校生徒の皆様、これより、第39回体育祭を行いますので、入場の隊形に並んでください。繰り返します、全校――…』
「お前ら、並べ。姫璃、また後でな」
「うん、皆頑張ってね!応援してるからっ」
放送を聴いた篠崎は、生徒達に並ぶよう、促す。妃は、皆にエールを送ると、来賓者の席に戻って行った。
因みに、椎葉学園の体育祭には親や親族は来ない。
椎葉学園は、全寮制で、親の出入りは禁止、生徒達がこの学園を出る事は勿論、禁止。
だから、この体育祭もあくまでも授業の一環、という事になっている為、体育祭中の歓声は全て、生徒のみの声となっている。
ついでに言うと、椎葉学園の創立は、今年で40周年で、今の学園長が一代で築いた。
『全校生徒、入場』
この一言で、全校生徒は一斉に歩き出し、開会式の隊形になる。
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