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「悠介さーん……。早く起きてくださいよー?」
布団をすっぽりと被っている俺の体をゆっさゆっさと雅さんが可愛らしい声を出しながら揺らしている。この声は反則だと思うんだ……。
「あー……ごめんごめん。今、起きるから退いてもらっていいかな?」
「……私、そんなに重いですか……?」
俺の頭上から聞こえるのは、ワンテンポ遅れた雅さんの泣きそうな声。ちょ……何故だし……。
だが雅さんを泣かせてしまったら俺の沽券と今後の生活に支障をきたしてしまうので全力を出して起床のち謝罪に移りたいと思います。
悠介! いっきまーす!
「そんなわけないじゃん!雅さんが重いだって?ははは!冗談言っちゃぁいけないよ。雅さんならお姫様抱っこしながらでも100m走りきる自信があるよ!」
よく噛まずに言えた俺。偉い偉い。そして今のワンフレーズで俺のキャラが崩れた気がして止まないんだがどうしようか。
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