天使との契約

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『それではこれで、卒業式を終了します。』 体育館に司会をしていた、教頭の声が響いた。そう今日は中学の卒業式、それがたった今終了したのだった。 卒業式と言えば十中八九感動だとか、そんなことを考えるだろう。しかし、この世界の卒業式はどこか違った。卒業生はそわそわして、在校生はずっとひそひそ話をしている。まるで、何かを期待しているかのように、 『最後に校長から』 教頭がそう言うと、白い髭をはやした老人がステージに上がった。 『学校長の権限において、卒業生に召喚の権利を与える。』 そう言うと体育館が一瞬の静寂に包まれた。 『では卒業生はグランドに行き、召喚の準備を』 卒業生は一斉に立ち上がり、グランドに駆けて行った。
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