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場所は変わり、グランドにて
すでに着いた卒業生は地面に召喚用の魔方陣を書き始めていた。
この世界では中学を卒業すると、召喚と言う名の魔法が使えるようになる。
この召喚魔法で呼び出すものは、使い魔と呼ばれて以後自分に仕えてくれるようになる。それで呼び出した使い魔は、S・A・B・Cのクラスに分けられており、そのクラスに応じて自分の高校が決まるのだ。そのため、皆意気込んでをこれをしているのだ。
その中に、
「はぁ・・・」
若干疲れたような顔で魔方陣を書いている少年がいた。
彼の名前はゼオン、一応この小説の主人公である。
彼は成績が上位で、その中でも魔法の成績が飛び抜けて高い、俗に言う天才である。
そんな彼がなぜ、ため息をついているかと
「書くのめんどい・・・」
単にそれだけである。
そんな彼に話しかける人物が現れた。
「おいゼオン!まだ?」
「あぁ、サモンか。」
サモンと呼ばれるその少年は、ゼオンの近くに来て背中をバシバシ叩いた。
「痛いって、サモン」
「だったら早くやれよ。もうほとんどの奴は終わってるぞ。」
「マジ?」
「マジ」
ゼオンが辺りを見渡すと確かに、皆自分の使い魔を召喚し得意気に自慢しあっている。
「お前も終わったのか?」
「勿論、見るか?」
「一応」
「出てこい、紅蓮よ」
すると、そこに現れたのは赤いマントを羽織った金髪の男だった。
「お呼びでしょうか?マスター」
「ちょっとお前を友達に紹介しようと思って」
金髪の男はゼオンの前に出て、軽く会釈をした。
「この主人の使い魔の紅蓮です、以後お見知りおきを」
「よろしく」
お互いお辞儀を返して、握手を交わした。
「ヴァンパイアか」
「はい、お察しの通りで」
因みにヴァンパイアはSランク、かなりのレベルの使い魔である。
「じゃあ、俺もやるかな」
ゼオンは地面に召喚用の魔方陣を書き終え、その中心に立った。
「さ~て、何が出るかな?」
少し離れた所で、サモンが腕を組んでゼオンのことを見てきている。
しかしゼオンは、お構いなしに持っていたナイフで自分の指に切り、血を地面に垂らして、召喚の準備をした。
「我が名はゼオン、今ここに召喚を開始する。
我の声に従い、姿を現せ。」
その瞬間に魔方陣が光だし、その光がゼオンを包み込んだ。
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