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辺りが認識できるようになったると、サモンがこっちに駆け寄ってきた。
「お疲れ」
「あぁ」
「で、その姉ちゃんがお前の使い魔?」
「そうだ」
「ふ~ん」
サモンはレイラの側によって、まじまじとその姿を見ている。
因みに今レイラは羽をしまっているので、普通の人間とあんまり大差がない。
「よろしく、綺麗なお姉さん。」
そう言うと、サモンはウィンクをしてレイラに手を差し出した。
「よ、よろしく」
レイラは差し出されている手を掴み、握手をした。しかしその顔はどう見ても引きつっていた、どうやらさっきのが気持ち悪かったらしい。
「貴方も凄いのを使い魔にしましたね、まさか四大天使の1人とは。」
不意に紅蓮が俺に話しかけてきた。
「あ、やっぱり解っちゃう?」
「当たり前ですよ、あれだけの魔力を隠すのは無理ですからね。人間に解らなくても我々にはわかります。」
「ところでさぁ」
「はい?」
ゼオンはサモンと話しているレイラを指差して、紅蓮に話しかけた。
「あれって、ランク何?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すいません、わかりかねます。」
紅蓮は少し考え込んだが、解らなかったようだ。
そもそも天使は比較的に魔力が高く、最低ランクがAという上級の生き物なのだ。しかも、その天使の最上位ともなれば半端では無い魔力の持ち主、ランクSでは収まらないだろう。
「それよりも驚かないんですか?」
「何を?」
「大天使ですよ!学生が召喚できるレベルじゃないでしょうが!」
「知るか!出したもんは出したもん何だから、驚いても仕方ないだろうが!」
紅蓮は一度やれやれと溜め息をついて、サモンの方を向き直してしゃべり始めた。
「まったく、寛大なのかバカなのか。」
「それは、サモンもだろ?冥王ハ・デス」
「おやおや、気が付いてましたか」
「お前が言ったことだろ、強大な魔力は隠せないって」
そう言うと紅蓮は姿を変えた。マントはさっきと同じだが、髪は黒くなり漆黒の服を着ていた。
これがハ・デスの本当の姿なのだろう。
「やはりこの方が落ち着く。」
「あれ~、もうバレたのか?」
「すまんなマスター、しかしミカエルも姿を戻しているところを見ると。」
「ええ、私もバレました。」
ゼオンとサモンはお互いに向かい合い、バカ笑いをしながら校舎の方へと歩いていった。
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