20歳の誕生日

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7月。 自分の誕生日、午前中会社を休んだ。 どうしてもやりたいことがあったから。 誕生日の朝。 1年以上連絡を取っていない両親に、電話をかけた。 「もしもし昴だけど、お父さんいる?」 「今変わるわ。」 わかってはいたが、1年ぶりに電話をかけた娘に、何か言うことはないのだろうか? 「なんだ、こんなに朝早く。」 「私今日で20歳になったの。で、戸籍抜こうと思って。一応伝えたから。」 「好きにしなさい。」 電話を切り、市役所に向かう。 手続きをとり、これで私は1人。 完全に親との関係が切れたんだ。 たったそれだけのことで、私の心は軽くなった。 午後出勤すると、恵菜が来た。 「珍しいね、昴が休み取るなんて。なんかあった?」 「ちょっと市役所に用があって。」 「市役所?」 「そう。20歳になったから、戸籍抜いたの。」 「そっか。昴今すごい明るいよ。」 「ありがとう。」 この日から、両親と関わることはなかった。
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