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「高柳さんの番号、聞かなくてよかったの?あんなに楽しそうに話してたのに。」
「何言ってんの、恵菜!普通に話ししてただけだよ!」
「なに、昴。高柳さんタイプだったの?雅也に番号聞いてあげようか?」
「いらない!」
「昴。そんなんじゃいつまでたっても、彼氏できないよ。ちょっとでも気になったら、積極的に番号聞かなきゃ!」
「先輩まで…。ホントにそんなんじゃないですから。」
確かに話しをすると楽しい人だったし、嫌いじゃなかった。
でもこのときはまだ、恋とかがよくわからなかった。
だから連絡を取りたいなんて思わなかったし、恋に堕ちるなんて予想もしなかった。
会社が終わると、バイトに向かう。
19時くらいはわりと客が多く、忙しい。
21時を過ぎると客足が減り、やっと一息。
23時近くになると、はっきり言って暇。
後少しで終わりだと思いながら、時計と睨めっこ。
レジを離れ、品出しなどの雑務をこなす。
ピンポーン
珍しく客が来た。
急いで商品を棚に入れ、レジに走る。
「すいませーん。」
お客さんはレジにビールを置いて、待っていた。
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