2度目の出会い

5/6
前へ
/274ページ
次へ
「ホントに黙っててくれますか?」 「信用してよ。その代わり、今日は玄関まで送らせて。」 「それくらい構わないですけど。」 「じゃあ、行こう。体冷えちゃうよ。」 優斗さんに手を掴まれ、引っ張られるように歩き出す。 優人さんの手は、冷たかった。 9月末。 夜は冷え込むようになっていた。 「寒くなかったですか?」 「ちょっと寒かったかな。でも意地悪しちゃったからね。からかったつもりだったけど、昴ちゃん真に受けちゃうんだもん。」 「やっぱりバレると不安ですよ。」 「ごめんね。ところで、いつもこんな遅くに帰ってるの?」 「月木は。土日は朝5時からだから、行きが暗いときがあるくらいです。」 「朝は大丈夫にしても、夜中は危ないよ?」 「1年以上なにもなかったんで、大丈夫でしょ。」 「それは運が良かっただけ!ここらは駅に近いから、意外と物騒なんだよ?」 「はぁ。気をつけます。」 そんな会話をしていると、あっという間に家に着く。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2976人が本棚に入れています
本棚に追加