訪問

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和食は作り慣れていたので、手際よく料理が進む。 あく抜きしてふたを閉じ、少し煮込む。 その間にキッチンの後片付け。 使ったまな板や包丁を洗ってるときだった。 ピンポーン まさか…。 覗き窓から外を見ると、やっぱり。 玄関の外には優人さんがいた。 よりによって、手抜きした日に来なくてもいいのに。 思わずため息をつく。 そして、ゆっくり玄関を開けた。 「こんばんは。約束通りご飯ご馳走になりに来ました。中に入っていい?」 「どうぞ。」 「なんか来ちゃダメだった?」 「え?そんなことないですよ。」 「ホントに?なんか表情暗かったし、迷惑だったかなって。」 「全然迷惑じゃないですよ。適当に座っててください。もうすぐできるんで。」 「いい匂いするけど、何作ったの?」 「見てからのお楽しみです。たいしたものじゃないですけど。」 リビングに座る優人さんに、お茶を出した。
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