訪問

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玄関の鍵を閉め、リビングに戻る。 さっきまで賑やかだったせいか、静寂が寂しさを感じさせた。 座って握ったままの右手を開くと、四つ折りの紙があった。 そこには、携帯のアドレスと番号が書かれていた。 私はすぐに携帯を取り、優人さんの番号を登録した。 メール作成画面にして、優人さん宛てのメールを打つ。 『今日はホントに楽しかったです😃次にご飯食べに来るときは、前もって連絡くださいね✉昴』 打ったものの、なかなか送信ボタンが押せない。 しばらく画面と睨めっこしたが、勇気を出して送信した。 それだけのことなのに、心臓がバクバクだ。 優人さんの返事は、すぐに来た。 『メールありがとう😃俺、昴ちゃん連絡くれないんじゃないかって、ちょっと不安だったんだ😣今度はちゃんと連絡してから行くよ。最近寒くなってきたから、グラタンが食べたいな😁』 メールを読みながら、微笑んだ。 ちゃっかりリクエストする優人さんが、なんだか可愛くて。 しばらくメールを見ながら、にやついていたのを覚えてる。
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