恋心

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あれから、優人さんはよく家にご飯を食べに来るようになった。 最初のうちは、1週間に1日ほど。 それが次第に増え、1週間の半分ほど来るようになった。 そうなったのは優人さんと出会って2ヶ月ほど経った、12月目前の頃。 この頃優人さんが来ない日が、ひどく寂しく感じた。 1人で食べる食事は、のどの通りが悪くなる。 部屋が広く感じて、寒い。 暇さえあれば、携帯を覗いた。 優人さんからメールが入っているか、確認するため。 メールが来ない日は、気分が沈む。 『今日来ない?』って誘うこともできたけど、そんな積極的になれなかった。 メールが入った日は、天にも昇る気分。 『何が食べたい?』って聞いて、材料を買って足早に帰宅する。 優人さんは、いつも美味しそうに食べてくれた。 たくさん褒めてくれた。 それが嬉しくて。 その笑顔が見たくて。 もっと話したくて。 いろんなことが知りたくて。 それが恋だと、少しずつ気づいていった。
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